水とミネラル

近年、ミネラルの重要性の認識が広まり飲料水にもミネラルの含有量などが注目されて来ています。それと同時に特に野菜のミネラル含有量が減ったため、ミネラル不足が指摘されるようになりました。ミネラルウォーターの急速な需要はこのような背景と水道水の安全性に問題があることが指摘されるようになってきてからと考えられます。ミネラルウォーターに含まれるミネラルにはいろいろな成分が含有されていますが、特に主な成分についての解説をしてみました。

◆カリウム
カリウムはナトリウムと共に体の浸透圧を維持するという大切な役割とナトリウムの排泄を促し血圧の上昇を抑え、血圧を正常に保ちます。また、筋肉の収縮機能や腎臓で出来た老廃物の排泄を促すなどの役割があります。
不足すると高血圧症、心不全、不整脈、排尿障害などの症状を引き起こします。

◆カルシウム
カルシウムは人間にとってなくてはならない重要な成分で、体内では９９％が歯と骨に、１％が血液と細胞内に存在しています。カルシウムは細胞膜の透過性調節、心臓の機能調整、ホルモン分泌、筋肉の収縮や弛緩など様々な生体反応の作用をしていますので、欠乏してカルシウムバランスが崩れると慢性的な生活習慣病が起こります。しかしながら、カルシウムは１日３００～６００mg 位が尿や便として体外へ出ていきます。もし、不足すると血液中のカルシウム濃度は一定に保とうとするので骨から血液中に流れて行きます。従って、慢性的に不足すると骨粗しょう症になってしまうのです。また、情報伝達に支障が起こり、筋肉の痙攣（けいれん）やイライラを起こしたりします。

◆ナトリウム
ナトリウムは、カリウムと一緒に働いて血圧の調整をするほか、体液の浸透圧を保ったり、筋肉及び神経の働きにも関係している大切な成分です。しかし、摂りすぎにより高血圧の原因にもなっているので現代人は摂りすぎに注意する傾向があります。

◆マグネシウム
マグネシウムは神経伝達、体内で糖分をエネルギーに変える役割、骨の弾性維持や多くの酵素反応に補酵素として働いている重要なミネラルの一つです。不足すると、不整脈、心疾患、骨粗しょう症、筋肉収縮異常などの症状が起こります。マグネシウムはカルシウムと同様に日本人に不足しているミネラルです。

◆サルフェート
サルフェートとは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルと硫酸基が結合した硫酸塩のことです。もともと温泉に含まれている成分で、ヨーロッパ産のミネラルウォーターに多く含まれていますが、日本のものにはあまり含まれていません。このサルフェートは有害物質を体外へ排出してくれるデトックス効果や新陳代謝を高めたりします。そのため利尿作用、便通を良くしたり、二日酔いの成分のアセトアルデヒドを排出すると言われています。

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